「セロ」 [日本語・外国語]
「セロ」というマジシャン(?)↓を最近、テレビなどでよく見かけます。
http://www.magicrevolution.jp/
「セロ」を見かけるようになってから気になっていたのは、どのような出自の人で、「セロ」とはどう書くのだろう、ということです。
調べてみると、アメリカ人(ハリウッド出身)で本名はCyril Takayamaといい、父親が日本人(沖縄出身)、母親はフランス系モロッコ人とのことです。
アメリカ人ですから、名前の"Cyril"は英語ということになり、日本語では「シリル」と表記するのが”普通”ではないかと思います。
しかし、アメリカ人に対しては、「セロ」の方が、「シリル」よりも通用するのではないか、という気がします。
同じような例は、他にもあります。
(右のほうが「原音」に近く聞こえる…?)
マイケル → マイコー
アンビリーバブル → アンビリバボー
…などなど。
かつては、外国語は文字(書物など)で目にすることが圧倒的に多かったため、外国語を日本語(カタカタ)表記する場合には、元の外国語の綴りを意識した書き方になっていたようです。
しかし、人の移動が増え、メディアなどの発達で外国語の発音を耳にする機会が増えています。
このため、綴りよりも耳に聞こえる発音を意識したカタカナ表記が増えているのだと思います。
考えてみれば、幕末や明治時代の外国語表記も、「耳に聞こえた音」に素直なものだったのではないでしょうか。
例えば、以下のようなものです。(カッコ内は現在の表記例)
メリケン(アメリカン)
バケツ(バケット)
ケーキ(ケーク、ケイク)
…などなど。
確かに、「メリケン」の方が、「アメリカン」よりはアメリカ人に通じるかもしれません。
「掘った芋いじるな」(What time is it now?)みたいですが…。
しかし、「元の綴りがすぐに思い浮かぶ」という方式も、それなりに利点があるわけで、必ずしも「音に忠実」な書き方の方が優れているとは言い切れないのが難しいとことです。
たとえば、「ミネラルウォーター」は、「ミネロワラ」と言った方が通じるかもしれませんが、果たしてそれがみんなに分かりやすいかどうか…。
なかなか難しい問題です。
コメント 0