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「会議/会談」「事件/事故」 [日本語・外国語]

ニュース関係の仕事をしていると、言葉の使い方で迷うことがよくあります。

例えば、北朝鮮の核問題をめぐる日本、アメリカ、ロシア、中国、韓国、北朝鮮による会合については、いろんな呼び方があります。

日本の多くのメディアは「6ヵ国協議」と表記していますが、一部の新聞は「6者協議」です。

これは、政府(外務省など)の呼称に準じているものと思われます。
恐らく、外交関係のない北朝鮮が含まれるため「6ヵ国」という呼び方を避けたいのだと思います。

ちなみに、中国では「六方会談」ですし、韓国では「六者会談」(ユクチャフェダン)と呼ばれています。
また、英語では"Six Party Talks"です。

「首脳会談」と「首脳会議」も間違いやすい言葉です。

「会談」は2人、「会議」は3人以上と思いがちですが、「3者会談」「4者会談」というのもあるので、この定義は正確ではありません。
「議長のいるのが会議」「議長がいないのは会談」という説もあり、私はこの説が概ね正しいのではないかと思います。

さらに、「会議」には普通、政治的な意味合いはありませんが、「会談」と呼ばれるのは、政治的な意味のある会合・面会だけです。
政治的に”釣り合わない”人間同士が合う場合は、「会談」と呼ばず、「面会」とか「表敬訪問」になります。
例えば、総理大臣と中央省庁の課長クラスが会っても、役所の業務として会うのであれば、「会談」とは呼べません。
しかし、その課長が選挙に出馬するなどという事情があれば、広い意味での「会談」になることもあるでしょう。

また、総理大臣と拉致被害者の家族だと「面会」。
「○○の女王」とか「ミス××」が総理大臣と会う場合は、通常「表敬訪問」です。

ところで、会社で「『事件』と『事故』はどう違うか」ということを教えなければならない事態になりました。

ニュースでは、意識せずに使うことが多いのですが、改めて説明するとなると、簡単ではないことが分かりました。

あるサイトでの説明は、以下のようになっています。
「日常用語における事故とは、予期せずに人や物などに損傷や損害を与える出来事のことである。故意に損害を起こす事件とは明確に区別される。」

ということで、「故意かどうか」が決め手ということになります。

自動車が人を(故意ではなく)はねた場合は「交通事故」ですが、はねておいて逃げると「ひき逃げ事件」になるのは、こうした理由です。
逃げるのは意識した上での故意の行為だからです。

なかなか難しいものです。


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青沢東(QMY)

う~ん、朝からいいお勉強しちゃいました。日本語って難しい!でも面白い!さて、お仕事行ってきますか!!
by 青沢東(QMY) (2007-05-23 08:23) 

Lionbass

青沢東さま
ありがとうございます&(こちらでは)お久しぶりです。
「こんなつまらん話、誰が読むんかいな」(なんで関西弁?)と思いつつ書いたので、コメントいただけるとはちょっと意外でした。
by Lionbass (2007-05-23 14:25) 

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