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「カラヤンがクラシックを殺した」 [読書]

▼読み終わった本
*「カラヤンがクラシックを殺した」
宮下誠・著、光文社新書


カラヤンがクラシックを殺した

カラヤンがクラシックを殺した

  • 作者: 宮下誠
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2008/11/14
  • メディア: 新書


【帯紹介】
******************************

資本主義、拝金主義の欺瞞を暴く
タブーに挑戦
カラヤンと鋭く対立した、クレンペラーとケーゲルの絶望的闘い
音楽とは?芸術とは?生きるとは?不幸とは?そして幸せとは?
******************************


去年はカラヤン生誕100年ということもあってか、いろんな「カラヤン本」が出版されましたが、きのうに続き、その「カラヤン本」の記録です。

(残念ながら)一言で言うと「極めて難解な内容」でした。

まずは「{巻頭言}」はこんな感じ。
「20世紀のある時点で、クラシック音楽は見紛うことなく、一つの『死』を経験した。その『死』は人類という種の、今日における絶望的状況の一断面を鮮やかに浮き彫りにする。」「このような自体を象徴的に体現したもののひとりが、ほかならぬ、指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤン、その人である。彼、或いは彼を取り巻く状況は、時代の病理を理想的に映す鏡である。私たちは、そこに己の姿を映し、見つめ、考えなければならない。」
私には、何を言いたいのか、よく分かりませんでした。

さらに「第一章 音楽の悪魔——プロレゴーメナ」(これも意味が分からない)には以下のような一節があります。
「音楽について、それも演奏された音楽について書くこと、すなわち音楽の解釈を言語化する方法は様々にあるだろう。しかし、私の経験から言って「これは」という決定打に欠けていると思う。印象批評、音楽美学的アプローチ、音楽学的専門用語を駆使しての分析的方法などなど、どれをとっても帯に短し襷に長し、隔靴掻痒の感を免れない。」
(中略)
「言葉にするには音楽はあまりに軽やかすぎる。実体としての質量に欠ける。だから決定打はそもそもないのかもしれない。できることといえば、せいぜい、書き手の立ち位置や価値観を明らかにし、更には書き手のよりどころとする方法論的土台を確認した上で、そのような姿勢から音楽がどのように聞かれるかを注意深く、そしてできれば日目やかな繊細さで言葉を紡いでゆくほかはないのかもしれない。」
「そこで私の方法について一言述べよう。私は何もあの『精神史』の名手ヴィルヘルム・ディルタイの思考に沿うつもりも、林達夫の『精神史』に倣うつもりもない。私の学識は彼らに遠く及ばず、その学統に連なるものでは到底ない。」
(中略)
「ディルタイをその師の一人ともする『存在と時間』の巨人マルティン・ハイデガーのひそみに倣うつもりもないけれど、私は、彼がヘルダーリンの詩編について書いたものや、『意志と表象としての世界』の著者アルトゥール・ショーペンハウアーの芸術観などに惹かれている。また、今では余りに主観的で、気宇壮大にすぎ、その上晦渋なためにその今日的重要さ、貴重さに比して敬遠されがちな彼らの芸術論は、観念論の総仕上げをしたゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルにも微妙に反響し、私の心をくすぐってやまない。」

ブログをご覧の方、意味は分かりますでしょうか?
私にはさっぱり分かりませんでした。

このあとも、「アロイス・リーグル」「ハインリヒ・ヴェルフリン」「ヴィルヘルム・ヴォリンガー」「アウクスト・シュマルゾー」「ヴァルター・ベンヤミン」「テオドール・アドルノ」という名前がずらずら出てきて、正直辟易しました。

私は、カラヤンを崇拝しているわけでもありませんし、オットー・クレンペラーやヘルベルト・ケーゲルについてよく知っているわけでもないのですが、この著者の論理は最期までよく理解できませんでした。

読んで損しました。

▽購入した本
*「もっと知りたい旅客機の疑問50」
秋本俊二・著、ソフトバンク サイエンス・アイ新書


もっと知りたい旅客機の疑問50 エンジン2基の双発機と4発機はどっちが安全? 預けた荷物がときどき“迷子”になるワケは?

もっと知りたい旅客機の疑問50 エンジン2基の双発機と4発機はどっちが安全? 預けた荷物がときどき“迷子”になるワケは?

  • 作者: 秋本 俊二
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2008/12/16
  • メディア: 新書



タグ:カラヤン
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コメント 1

gkrsnama

わからない点はありますか?上の文章の意味は明瞭でハッキリ言うためにあいまいさを残さないために十分に推敲された文章だと思うのですが?こんな文がすらすらかければいいとまで思うのですが?

ぼくも読んでみます。
by gkrsnama (2010-03-12 22:33) 

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