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「『漢字廃止』で韓国に何が起きたか」 [読書]

▼読み終わった本
*「『漢字廃止』で韓国に何が起きたか」
呉善花・著、PHP研究所


「漢字廃止」で韓国に何が起きたか

「漢字廃止」で韓国に何が起きたか

  • 作者: 呉 善花
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2008/09/19
  • メディア: 新書


【帯紹介】
******************************

韓国が失ったもの、失ってはいけないもの
またぞろ「竹島問題」で
気勢を上げる国の足もとに
忍び寄る「文化崩壊」の危機

******************************

呉善花氏の本は、「攘夷の韓国 開国の日本」「『反日・親北』をやめられない 韓国の暴走」など、何冊も読んでいます。
前も書きましたが、「デビュー作」の「スカートの風」も出た直後に読んでます。

それでこの「漢字廃止」の話ですが、なかなか面白い視点だと思います。
日本でも、第二次大戦後など、「漢字廃止論」「日本語ローマ字表記論」「英語公用語論」などがかなり勢いを持っていたそうですが、「感じを廃止しなくて良かった」と思いました。

韓国・朝鮮語は、日本語と同じように、固有語(日本で言えば「やまと言葉」)に中国語由来の「漢字語」を混ぜて使う構造になっています。

この本のポイントと思われるのは、漢字を使わないことによって起きた「抽象的な概念や複雑な事柄が正しく伝わらなくなる」とか「国民の読書率が下がる」などの問題点だと思います。

また、韓国・朝鮮語には「訓読み」という考え方はなく、漢字語は「音読み」でしかありません。

例えば「広場」は「クワンジャン」で、これは日本語で言うと「ひろば」ではなく「コウジョウ」と読むようなものです。
(ちなみに、中国語で「広場」は「クワンチャン」なので、韓国語はほぼ同じです。)

韓国・朝鮮語で漢字を廃止できたのは、ハングルがある意味「便利すぎる」ためではないかと思います。
というのは、「広場」の例で言えば、「広」にあたる「クワン」で1文字、「場」にあたる「ジャン」で1文字の、合計2文字で表記できるからです。
つまり、漢字2文字の言葉は、原則としてハングルでも2文字でも書き表せるわけです。

これが日本語だと、「広場」という漢字2文字の言葉が「ひろば」と3文字になりますし、「工場」だったら「こうじょう」と5文字、「表情」だったら「ひょうじょう」と6文字になってしまいます。

もし日本語で漢字を廃止すると、文字数が多くなりすぎて、非常に読みにくく、表記が非効率になってしまいます。


ところで、ここまで、朝鮮半島の言葉について「韓国・朝鮮語」と書いてきました。
「朝鮮語」でも「朝鮮・韓国語」でもいいのですが、韓国に敬意を表して「韓国」を先に表記しています。

2年ほど前「『ハングル語?』=NHKの大罪」に書いたように、世間では「ハングル」というのは言語の名称だと誤解している人が相当多いのですが、これは昔、NHKが韓国・朝鮮語講座を始めるにあたり、「韓国」「朝鮮」という名称を避けたいがために「アンニョンハシムニカ ハングル講座」というまるで「文字について教える」かのような番組名を付けたのが原因です。

その辺のいきさつは、黒田勝弘氏の「韓国社会をみつめて」にも書かれていますので、ご興味のある方は読んでみてください。
韓国社会を見つめて―似て非なるもの (徳間文庫)

韓国社会を見つめて―似て非なるもの (徳間文庫)

  • 作者: 黒田 勝弘
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1987/05
  • メディア: 文庫



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コメント 2

kurumi

最近また韓国では漢字教育が人気だとか。
言葉の意味がわかりやすいから、だとか?
by kurumi (2009-05-21 21:07) 

Lionbass

kurumiさま
金大中政権のころ、漢字復権の動きがあったようですが、残念ながらそれほど進展していないようですね。
by Lionbass (2009-05-23 15:39) 

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