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「悪の遺伝子」 [読書]

▼読み終わった本
*「悪の遺伝子―ヒトはいつ天使から悪魔に変わるのか」
バーバラ・オークレイ・著、酒井武史・訳、イースト・プレス


悪の遺伝子―ヒトはいつ天使から悪魔に変わるのか

悪の遺伝子―ヒトはいつ天使から悪魔に変わるのか

  • 作者: バーバラ・オークレイ
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2009/05/22
  • メディア: 単行本


【帯紹介】
******************************

知的興奮200%全開!
「邪悪の蕾」は
あなたの中でも
密かにふくらんでいる——

「悪」を道徳の領域からひきずりだして遺伝学・脳科学で検証、
全米で一大議論を巻き起こしたサイエンス・ノンフィクション!!
******************************


原題は以下の通り。
"EVIL GENES: WHY ROME FELL, HITLER ROSE, ENRON FAILED,
AND MY SISTER STOLE MY MOTHER'S BOYFRIEND"

(「悪(魔)の遺伝子:なぜローマは滅び、ヒトラーは台頭し、エンロンは破綻し、
そして私の姉は母のボーイフレンドを盗み取ったのか」)

そして、目次を紹介します。
0章 呪われたDNA
1章 姉はこうして狂っていった
2章 「邪悪な成功者」の正体
3章 人の性は善か、悪か
4章 気まぐれな遺伝子
5章 共感しない脳
6章 脳が私に嘘をつかせる
7章 悪魔に魅入られた男


0章(序章)では、家族内の奇妙な関係に始まって、いろんな書物に出てくる「悪役」(アンチヒーロー)から、現実社会の「悪役」に話が及びます。
例えば、ヒトラー、ムッソリーニ、ポル・ポト、チャウシェスク、ミロシェビッチ、サダム・フセイン、それに毛沢東・・・。

そして、原題や目次(第1章)で分かるように、前半は著者の姉の話にかなりの分量を費やしています。
姉(1945年生まれ)は小さい時にポリオ(小児まひ)にかかり、運動機能に障害が残ったということ。
そしてポリオにかかった人物は、知的機能にも後遺症が出る(従来の検査では明らかに出来ない)という研究結果を紹介。
姉のある意味「反社会的」「非道徳的」行動は、ポリオに原因があるのだろうと指摘しています。
(「反社会的」「非道徳的」行動とは、例えば原題にあるように「母親の彼氏を奪う」といったことです。)

途中は、遺伝子や脳科学、神経伝達物質の話なのでなかなか難しいのですが、最後の章はまるまる毛沢東の話
もうお分かりのように、毛沢東は人格的に問題があったという前提で、さまざまな事象(記録)からそれを明らかにしています。
詳しくは本書を読んでいただくとして、第7章の小見出しから拾ってみると、以下のような感じです。
「聖人」にされた境界性パーソナリティ障害
反社会的傾向は十歳から
破滅的な女性関係
「わざと逆上する」という戦術
巧みに魅了し、味方につける
異常なナルシシズム
激しい妄想
他人を手玉に取る天賦の才
共産主義を本当に信じていたか?
異常性のすべてを武器にのし上がった男


数年前「マオ」を読みましたが、少なくとも「偉大な共産主義者」でないことは、相当明らかになり、知れ渡ってきていると思います。
この本は、毛沢東の”神話”を完全に打ち砕くものかもしれません。



▽購入した本
*「境界性パーソナリティ障害」
岡田尊司・著、幻冬舎新書


境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害

  • 作者: 岡田 尊司
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2009/05/27
  • メディア: 新書



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