「ハングルの誕生」 [読書]
▼読み終わった本
*「ハングルの誕生 音から文字を創る」
野間秀樹・著、平凡社新書
【帯紹介】
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奇跡の<文字>、
その秘密に迫る。
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【帯(裏表紙側)紹介】
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ハングルという門司を創り出すこと。
そこには単に<文字>をめぐる問いを超えた、<書く>という営みや<書かれるもの>、即ち<エクリチュール>をめぐる、あるいは広く人間の<知>をめぐる巨大な問いがよこたわっており、ハングルの誕生が<知<をめぐるドラマでもあったことがわかるであろう。
(「はじめに」より)
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非常に面白い本でした。
韓国・朝鮮語を書き表す固有の文字、ハングルは、ご存じのように15世紀の半ばに世宗(セジョン)大王の命により造り出されました。
文字としてはかなり新しいわけですが、それだけに極めてよく考えられていて、画期的とも言うべき点がいくつもあります。
たとえば「母音と子音をきちんと書き表すことができる」とか、「中国から取り入れた漢字1文字の発音を1文字で表せる」「発音する際の口の中(舌など)の形をかたどっている」など、現代の言語学から見ても、とても優れた文字だということです。
言語学で「母音/子音」という概念はつい最近になって確立したものであり、15世紀にこうした要素を考えに入れて文字を造ったことは、極めて独創的と言っていいのではないでしょうか。
また「漢字1文字がハングル1文字で表せる」という点ですが、日本語で例えば「表情」という漢字2文字言葉は、ひらがなだと「ひょうじょう」と6文字になってしまいます。
これが、ハングルだと2文字で表せるわけです。
韓国では現在、漢字をほとんど(北朝鮮ではまったく)使わないわけですが、このように漢字をハングルに置き換えても文字数が増えないので、これが可能になったと言っていいと思います。
このようなハングルの優れた点について、この本では、漢字(中国)はもとより、アルファベットやアラビア文字などの例も挙げながら、詳しく紹介しています。
また、ハングルの誕生以前、朝鮮半島にも漢文を読む際の「返り点」のようなシステムがあったことや、朝鮮半島でも中国から取り入れた漢字を学ぶのが知識階級にとって当然であり、ハングルはレベルの低い文字として抵抗に遭ったことなど、大変面白く読みました。
ちなみに、私はハングルを勉強したことがあるので、読めることは読めるのですが、残念ながら自由に話せるレベルには達していません。
改めて韓国語を勉強したいと思いました。
▽購入した本
*「グーグル秘録 完全なる破壊」
ケン・オーレッタ著、土方奈美・訳、文藝春秋
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*「ハングルの誕生 音から文字を創る」
野間秀樹・著、平凡社新書
【帯紹介】
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奇跡の<文字>、
その秘密に迫る。
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【帯(裏表紙側)紹介】
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ハングルという門司を創り出すこと。
そこには単に<文字>をめぐる問いを超えた、<書く>という営みや<書かれるもの>、即ち<エクリチュール>をめぐる、あるいは広く人間の<知>をめぐる巨大な問いがよこたわっており、ハングルの誕生が<知<をめぐるドラマでもあったことがわかるであろう。
(「はじめに」より)
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非常に面白い本でした。
韓国・朝鮮語を書き表す固有の文字、ハングルは、ご存じのように15世紀の半ばに世宗(セジョン)大王の命により造り出されました。
文字としてはかなり新しいわけですが、それだけに極めてよく考えられていて、画期的とも言うべき点がいくつもあります。
たとえば「母音と子音をきちんと書き表すことができる」とか、「中国から取り入れた漢字1文字の発音を1文字で表せる」「発音する際の口の中(舌など)の形をかたどっている」など、現代の言語学から見ても、とても優れた文字だということです。
言語学で「母音/子音」という概念はつい最近になって確立したものであり、15世紀にこうした要素を考えに入れて文字を造ったことは、極めて独創的と言っていいのではないでしょうか。
また「漢字1文字がハングル1文字で表せる」という点ですが、日本語で例えば「表情」という漢字2文字言葉は、ひらがなだと「ひょうじょう」と6文字になってしまいます。
これが、ハングルだと2文字で表せるわけです。
韓国では現在、漢字をほとんど(北朝鮮ではまったく)使わないわけですが、このように漢字をハングルに置き換えても文字数が増えないので、これが可能になったと言っていいと思います。
このようなハングルの優れた点について、この本では、漢字(中国)はもとより、アルファベットやアラビア文字などの例も挙げながら、詳しく紹介しています。
また、ハングルの誕生以前、朝鮮半島にも漢文を読む際の「返り点」のようなシステムがあったことや、朝鮮半島でも中国から取り入れた漢字を学ぶのが知識階級にとって当然であり、ハングルはレベルの低い文字として抵抗に遭ったことなど、大変面白く読みました。
ちなみに、私はハングルを勉強したことがあるので、読めることは読めるのですが、残念ながら自由に話せるレベルには達していません。
改めて韓国語を勉強したいと思いました。
▽購入した本
*「グーグル秘録 完全なる破壊」
ケン・オーレッタ著、土方奈美・訳、文藝春秋
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ちょこっとハングルを囓った事がありますが、
(すぐに歯が欠けて退散しましたが)
合理的な文字だなと感心しました。
もっと根性でがんばっておけば良かったな。
by manamana (2010-07-18 07:52)
文字って考え始めると不思議ですよね。
なぜこんな形になったのか、なぜこの文字をこう発音するのか、とか、考えてしまいます。
ハングルは、けっこう深く考えられた文字のようですね。
by YAP (2010-07-18 11:05)
合理的な文字だと聞いたことはありましたが、
全くわからない私には、どの文字も同じように見えてしまいます^_^;
漢字を使わない国の人から見たら、漢字の方がもっと難しいのでしょうが・・・
by ぬれぴよこ (2010-07-18 11:08)
ほほ~、ハングルで書くと文字数は増えないわけですね。
中国にいたころ、中国語、英語、日本語でブローシャーやリーフレットを造っておりましたが、中国語で書くと1行の文章が日本語にすると3行近くになって、バランスが悪かったことを思い出しました。
また、中国語でメールを送ると非常に短くて済むので、中国の携帯ではいつも中国語でした。そして、最もややこしいのが英語…youをuと書かなければならんあの言語はメールには向きませんね。
by 青沢東(QMY) (2010-07-19 12:36)
manamanaさま
(少なくとも日本人にとっては)「ハングルは1週間で覚えられる」という話ですね。
すらすら読めるようになるのとは別ですが…。
by Lionbass (2010-07-24 09:19)
YAPさま
文字もそうですが、「言葉」そのものについて、「なぜこう言うのだろう」という「恣意性」が根本にあるそうですね。
「擬音語」は別として…。
by Lionbass (2010-07-24 09:23)
ぬれぴよこさま
私はアラビア語もやったことあるので、アラビア文字に比べればハングルは超簡単です。
一度勉強してみては?
by Lionbass (2010-07-24 09:24)
青沢東さま
「文字数が増えない」というのは、中国語に比べてではなく、「漢字の言葉(単語)」をハングルに直すとき、ということで、日本で言えば「漢字仮名交じり文」をひらがなで書くような場合の話です。
ツイッターやってると、同じ140字でも、英語より日本語、それよりさらに中国語の方が、伝えられる内容が多くなることが分かります。
by Lionbass (2010-07-24 09:27)