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中国の新幹線『和諧号』で上海へ戻る【2010夏休み中国旅行記(08)】 [旅行・乗り物]

「西湖のほとりの楼外楼でまた東坡肉を食す【2010夏休み中国旅行記(07)】」から続きます。

「列車で『地上の楽園』杭州へ」に書いたように、杭州到着直後に切符売り場に並んで取った上海行きのチケット。
IMG_1715杭州上海南.JPG【再掲】
真ん中に「D」の文字があるのが見えると思いますが、これは「動車組」「動」(Dong)の頭文字だとのこと。
「動車組」とは「動力のある車両で編成されている」というような意味で、普通の列車が動力のない客車を機関車が引っ張るのに対する言葉のようです。

<追記>
杭州→上海南の運賃は64人民元=約830円。
「新幹線」に1時間20分乗ることを考えるとやっぱり安いと思います。



ということで、楼外楼での食事を終え、タクシーで到着した杭州駅。
列車に乗ろうと改札へ向かうと、ご覧のような大行列。
列車は指定席で、先を争う必要はないのですが、ここは中国の人たちに合わせて、列に加わります。
IMG_1751杭州改札口.JPG
単にこの列車のために開いている改札口が2〜3カ所しかないだけで、普通に改札を通過。
ホームに向かいます。
IMG_1763杭州駅名票.JPGIMG_1764上海南駅行き.JPG

その列車というのがこちら。
中国版新幹線「和諧号」です。
IMG_1759先頭車両.JPG
「新幹線」のことを「動車組」と呼んでいて、「和諧(号)」というのは「のぞみ」とか「やまびこ」のような愛称だと考えればいいようです。
ちなみに、「和諧」とは中国語で「調和」の意味だそうです。

この写真では分かりにくいのですが、車両の中ほどにドアがあって、車室は前後に分かれています。
この型の車両はカナダ製だとのこと。
IMG_1761車両側面.JPG
IMG_1755和諧号.JPGIMG_1760CRH.JPG

車内はこんな感じで、かなりゆったりしていて、日本の新幹線にとても似ています。
IMG_1765車内.JPG

そうこうするうちに、行きと同様、定時よりわずかに遅れて杭州駅を発車。
前の席にはまたも男の子が。
そして、頭上の荷物棚のところには電源コンセントがあります。
IMG_1778男の子.JPGIMG_1780コンセント.JPG

車内に速度の電光掲示があるので注目していると、発車まもなく100km/hを超えますが、その後120~130km/h程度で運転するかと思えば、ときどき80km/h程度まで速度を落とします。
「120~130km/hなら日本の在来線でもあるぞ」と思っていたら、ようやく速度が上がり、150km/hを超えます。
結局、見ている限りでは下の写真の169km/hが最高速度のもよう。
IMG_1767時速106km.JPGIMG_1783時速169km.JPG

この「新幹線」は、行きに乗った「特快」のような「在来線」の列車と同じ線路を走っています。
途中の駅で在来線の列車を追い抜くわけで、この速度が限界なのでしょう。
中国の列車の時刻表はインターネットで見られますが、上海~杭州間の場合、この「新幹線」は1時間に2~5本程度走っているようです。

ということで、1時間20分ほどで上海南駅に到着
行きはちょうど2時間かかったので、時間短縮効果は40分程度です。
「新幹線」専用の線路を建設すればもっとスピードが出せるのでしょうが、現状ではこれが限界なのでしょう。

ホームの反対側には、ちょっと形の違う「和諧号」が止まっています。
こちらの車両が、日本の東北新幹線車両をベースにしたもののようです。
IMG_1789上海南駅.JPG
IMG_1784和諧号.JPG
IMG_1786CRH.JPGIMG_1787和諧号.JPG


<追記>
そういえば、行きの上海南駅では、新幹線型の寝台列車を見かけました。
撮りにくかったので写真はありませんが…。
北京~上海間などを走っているそうで、そのうち乗ってみたいものです。
(『新幹線』じゃない普通の寝台列車は北京駐在時代に体験済み。)
日本でも「夜行新幹線」の構想はあったものの、「保線の時間が取れない」などの理由で実現しなかったと聞いています。



そんなこんなで、今回の旅行の『目的』の1つ、中国版新幹線の旅は終了。
車内が非常に快適だっただけに、杭州駅での切符購入や改札待ちの行列の不快さがよけいに印象に残りました。
ハードは改善されても、ソフトが追いついていないと思います。
上海南駅は杭州駅に比べれば効率的で快適でしたので、杭州もこれから改善されて行くのでしょう。

上海南駅からは、地下鉄に乗ってホテルに戻りました。
IMG_1790地下鉄上海南駅.JPG

(つづく)

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コメント 10

manamana

改札前の人々を見たら、
列車に乗るのを躊躇してしまいそう。
明らかに日本の新幹線タイプも走っていますね。
by manamana (2010-08-20 05:54) 

YAP

技術が進歩してきている中国ですが、ソフト的なオペレーションはまだまだということですね。
by YAP (2010-08-20 08:17) 

サットン

いろいろな国の高速列車のコピーですね。
システムを確立するよりもまずは各国の技術を試してみようという段階でしょうか。
by サットン (2010-08-20 13:31) 

sonic

切符のお値段に円マークが付いているのが謎です。
日本人へのサービスでしょうか。
by sonic (2010-08-20 14:11) 

青沢東(QMY)

マルコメ君再び!!いい笑顔ですね。
新幹線は車両の扉のところには検札のお姉さんはいないのですね。広州では、どこに行くのにも扉ごとにお姉さんが立っていて、そのお姉さんのチェックを受けなければ中には入れませんでしたが…中国も変わったもんですねえ。
by 青沢東(QMY) (2010-08-23 09:03) 

Lionbass

manamanaさま
中国の鉄道、昔のどこかの国の国鉄みたいに「乗せてやる」という意識があるような気がします。
乗ってしまえば快適なのが救いでしたが…。
by Lionbass (2010-08-24 17:57) 

Lionbass

YAPさま
切符を売る窓口、行列はすごかったのですが、システムはちゃんとしていました。
ソフト面も「やればできる」という気はするのですが…。
by Lionbass (2010-08-24 17:59) 

Lionbass

サットンさま
「いいとこ取り」は「買い手市場」であることの証明かもしれません。
その中国が鉄道システムを世界に輸出しようとしているそうですが、果たして…。
by Lionbass (2010-08-24 18:00) 

Lionbass

sonicさま
「元」は中国語では"Yuan"(ユエン)と発音し、中国国内では記号は「¥」で表示されています。
為替市場では日本円はJPY、中国元はCNYと表示されます。
(人民幣の頭文字でRMBと表示することもあり。)
そのうち『「¥」といえば中国・人民元』という時代が来てしまうのかもしれません。
by Lionbass (2010-08-24 18:03) 

Lionbass

青沢東さま
ドアのところのお姉さん、いたようないなかったような…。
でもいたならきっと写真撮ってると思うので、きっといなかったんでしょう。
行きも帰りもマルコメ君遭遇、偶然なのか、何か理由があるのか…?
by Lionbass (2010-08-24 18:06) 

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