「下流志向」

（2010夏休み中国旅行記は一休みです。）

▼読み終わった本
＊「下流志向　学ばない子どもたち 働かない若者たち」
内田樹・著、講談社文庫

下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉

• 作者: 内田 樹
• 出版社/メーカー: 講談社
• 発売日: 2009/07/15
• メディア: 文庫

【帯紹介】
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日本中の親、教師を震撼させた
ベストセラー、ついに文庫化！！
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【帯（裏表紙側）紹介】
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ウチダ先生が、鮮やかに解き明かす！
＊なぜ公立ばかり学級崩壊するの？
＊なぜ妻はいつも不機嫌なの？
＊学力が低下すると、だれが得するの？
＊「格差」ってなんのこと？
＊「やりがいのある仕事」って、どこにある？
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「わたしはコンシェルジュ」と同様、この本もJR恵比寿駅ホームにある文庫本自動販売機で購入しました。

衝撃的な本でした。
著者は、日本における子どもの学力低下について、「怠惰」とか「注意散漫」によるものではなく、「（低下させようとする）努力の成果」であると指摘します。
「一定数の子どもたちが学びを放棄し、学びから逃走することから自己有能感や達成感を得ている」という指摘もしています。
そして「社会のあり方全体についての身を抉るような考察を通じてしか、この問題に取り組み道は見えてこないでしょう」とも…。

この本ではまた、「学習というものは、始めた時点ではその有用性は分からない」「日本の家庭において『不快さ』というものが『貨幣』の役割を果たしている」と指摘します。
これもまた、これまで考えてもみなかった視点であり、とても考えさせられました。

全部紹介していくと大変な分量になるので、この程度にしておきますが、この本を読んで感じたことは、指摘されているさまざまな現象は、過去にいろんな「文明」や「大国」が崩壊の道をたどったように、日本という国（文明）が衰退して行く過程なのではないかということ。
私の考えが間違っていればいいのですが…。

▽購入した本
＊「テレビの大罪」
和田秀樹・著、新潮新書

テレビの大罪

• 作者: 和田 秀樹
• 出版社/メーカー: 新潮社
• 発売日: 2010/08
• メディア: 新書

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タグ：内田樹 下流 教育 労働 子ども 若者

コメント 6

発展中の国の若者が、一生懸命に仕事をしたり勉強したりしているのに、
こんな事だと亡国の危機ですね。
by manamana (2010-08-29 09:05) 

妻の不機嫌さがきっと家庭の不快さとなって貨幣の役割を担うのでしょうが、その関係が全く見えてこない…これはやっぱり読んでみるしかないようですね。貨幣という経済用語につい惹かれてしまった私はやっぱり会計士なんでしょうかね。
by 青沢東（QMY） (2010-08-29 16:21) 

産業革命の発端となったイギリスが、今では工業国としてはすっかり三流になってしまっていますから、日本も油断しているとそうなりかねないですね。
実際のところ、自動車業界で働く者としては、エンジン技術がヨーロッパ、特にドイツに対して大きく引き離されてきていることを実感しています。
日本はハイブリッドに注力していてそちらでは先を走っているようですが、それも欧州メーカが少しずつ追いついてきているように見えますし．．．
by YAP (2010-08-29 19:23) 

manamanaさま
おっしゃる通り、日本の将来は明るくなさそうです。
by Lionbass (2010-09-01 17:31) 

青沢東さま
まあ読んでみてください。
そんなに時間かからないと思いますし、値段も高くありません。（笑）
「貨幣」とは価値を計る基準になっている、という程度の意味でしょうか…。
by Lionbass (2010-09-01 17:32) 

YAPさま
いろんな大国が衰亡したわけですが、たぶん、外部からの攻撃などよりも、内部から崩壊した方が多いのではないでしょうか？
これを食い止めようとしても、きっとうまくいかないんんでしょうね。
by Lionbass (2010-09-01 17:34)