「文化史のなかのマーラー」 [読書]
きのうは、前からお約束のゴルフに行ってきました。
一緒に回ったのは、某オケのビオラ弾きご夫妻と、我が家の家人です。
絶好のゴルフ日和で、軽く汗をかくものの、汗だくというほどではない、さわやかな気候でした。
40日ぶりだったということもあり、スコアはさわやかではありませんでしたが…。
ところで、当ブログへのアクセスが、間もなく20,000を超えそうです。
皆さま、いつもありがとうございます。
”怪しい”(スパム)アクセスもこの中に含まれているとは思いますが…。
さて、
▼読み終わった本
*「文化史のなかのマーラー」
渡辺裕・著、筑摩書房/ちくまライブラリー48
マーラーについての本は何冊も読んだことがありますし、映画のDVDも持っていますが、この本はユニークな切り口から書かれた興味深い本でした。
今から16年も前の1990年の出版ということです。
通常、マーラーの音楽について考察した本では、彼がユダヤ人であったことや、ボヘミア出身であることなどが主要なテーマとなっています。
しかし、この本は、19世紀の「世紀末」の状況・雰囲気とマーラーの創作の関係だけでなく、文学や建築などとの関わりなどについても、書かれています。
妻・アルマの「実家」が、当時の”最先端”の住宅だったことや、当時のウィーンの都市改造の状況と、マーラーの住んでいた住宅から楽友協会までの道筋の「工事」」の話など、初めて知る話も多くありました。
また、ウィーンの歌劇場の職を辞して、アメリカに移ったことについて、否定的な面ばかりでないことと、当時のアメリカでは、ヨーロッパでは受け入れられていなかったものが人気を博していたことなども初めて知る話でした。
最後に、マーラーの曲の解釈について、メンゲルベルク風の「揺らす」演奏と、ワルター風の「淡々とした」演奏を比べ、必ずしも”直弟子”のワルターの解釈がマーラーの本意ではなかった、との説を打ち出しています。
そのあたりの事情を説明するために、交響曲第4番の演奏について、20種類の演奏を比べ、テンポの”揺れ方”を比べるという、大変な作業まで行い、そのためにグラフを使って提示まだ行っています。
マーラーに興味のある方は、読んでみてはいかがでしょうか。
こんばんは
マーラーにはまっていた頃、やはり本も読みあさりました。
ラッセル監督の『マーラー』も観ました。
ここ10年ほど遠ざかっていますけど、久し振りに
メンゲルベルクとワルター聴き比べてみます。
(どちらも好きなんですけどね。)
by nyankome (2006-06-03 20:11)
nyankomeさま
コメントありがとうございます。
正直に言いますと、私はメンゲルベルクのマーラーは聴いたことがないと思います。
ワルターもCDは持っていません。
今度聴いてみようと思います…。
by Lionbass (2006-06-15 00:33)