「ヴァーチャル日本語 役割語の謎」 [読書]
▼読み終わった本
*「ヴァーチャル日本語 役割語の謎」<もっと知りたい!日本語>
金水敏・著、岩波書店
6月3日に書きました↓が、「ブログ仲間」である大学時代の先輩から頂戴しました。
http://blog.so-net.ne.jp/lionbass/2006-06-03
最初に紹介されているのは、「博士語」という概念。「鉄腕アトム」の「御茶の水博士」などが使う「わし」という一人称や、「~じゃ」という語尾に代表される”しゃべり方”です。
この「博士語」の起源など考えたこともありませんでしたが、この本では、豊富な事例を挙げながら、その起源を明らかにしています。
また、「田舎ことば」や「標準語」、「武家ことば」、さらには「女性語」「アルヨことば」など、いわゆる「役割語」についての考察が繰り広げられています。
読んだ感じたのは、「やはり専門家の話を読むと勉強になるな」ということでした。
私の仕事にかかわりのある、現代の国際関係論や、地域研究などの分野では、ジャーナリストとアカデミックな研究をしている人間の距離が、案外近いものです。
ジャーナリストから、大学の先生に転進する例も少なくありません。
逆に、専門的な研究者・学者でも、新聞や雑誌、テレビの報道は無視はできないと思います。
また、ジャーナリズムの分野でも、最近、専門家と素人の差が縮まっているように思います。
さらに、音楽の分野でも、例は少ないですが、素人(アマチュア)でも、プロに近い力を持っている人はいます。
それに比べ、今回の本が扱っている言語学・国語学や、その他の研究では、専門家と素人の差は大きいと感じました。
私は、仕事柄、「ことば」というものに大いに関心を持っているつもりですし、関連の書籍は読むようにしていますが、「さらに勉強しよう」という決意を新たにしました。
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