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「ブラバン」読了 [読書]

▼読み終わった本
*「ブラバン」
津原泰水・著、バジリコ

ブラバン

ブラバン

  • 作者: 津原 泰水
  • 出版社/メーカー: バジリコ
  • 発売日: 2006/09/20
  • メディア: 単行本

帯の文句は以下の3つ。
++++++++++++++++++++++++++++
なんやしらんけど
沁みる小説なんやわ
これが
映画監督
井筒和幸
++++++++++++++++++++++++++++

***********************
四半世紀の時を経て
僕らは再結成に向かう
吹奏楽部を舞台にした
ほろ苦い「青春」小説
***********************

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大麻を隠し持って来日したポール・マッカートニーが
一曲も演奏することなく母国に送還され、
ビル・エヴァンスがジョン・ボーナムがジョン・レノンまでも
死んでしまった、1980年(昭和55年)。
醒めた熱狂の季節に、音楽にイカれバンドに入れあげる
ボーイズ&ガールズが織り成す、青春グラフィティ。
クラシックの、ジャズの、ロックの名曲にのせ、
総勢三十四名のメンバーたちが繰り広げる、大群像劇。
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最近、日本の小説、特にハードカバーはほとんど読まないのですが、この本は会社の中の書店で見かけ、すぐに買いました。

月曜日の朝、出勤する電車の中で読み始め、翌火曜日の晩、寝る前にかなり遅くまでかかって読み進み、残りを水曜日(休日)の午前中に読み終わりました。


感想ですが、少なくとも私にとっては、郷愁をそそる=昔を思い出させる、興味深い物語でした。
要するに、自分たちにも似たようなことがあったなと思いながら読みました。

やはり年を取ると、昔のことを懐かしく思う度合いが強くなるような気がします。
今年トロンボーンを買った↓のも、昔(中学・高校時代)を思い出したかったからではないかと、自分では思っています。
http://blog.so-net.ne.jp/lionbass/2006-07-09


ということで、以下、ネタバレは避けつつ…。


高校の吹奏楽部が舞台ですが、「吹奏楽(ブラバン)」はあくまで「舞台」であり、物語の中心は、そこに関わった人間たちなわけです。

オーケストラでもコーラス部でも、または運動部でも良かったのでしょうが、読了後に作者の経歴を読むと、高校時代、吹奏楽部で「弦バス」を弾いていたとのことで、「なるほど」という感じです。


物語は主人公(語り手)が在籍した1980年ごろの2〜3年間と、現在(?)との2つの時代を行き来しつつ進みます。


主人公は「弦バス」弾きで、エレキベースも弾く、という、ある意味どっちつかずの人間であり、私とも共通点があるのかな、と思いました。

また、吹奏楽部に関わる人間(途中でやめたメンバーも含め)の描き方がリアルな部分が多く、自分自身の体験を思い出さすにはいられませんでした。

例えば、吹奏楽とジャズの関わりとか、バンド(ロック)をやろうとした話とか、体育祭の話とか、吹奏楽部内の”異性関係”とか…。

この小説と私の実体験とは、時間(時代)や場所が微妙にずれているものの、共通点もかなりあることが、私に「懐かしさ」を呼び起こす大きな理由の一つだと思います。

最後になりますが、終わり方が、いろんな意味で”余韻”を残しているのも、いろいろと想像力を働かされました。


なお、奥付を見ると、早くも「第5刷」だそうで、かなり読まれているのだと思われます。


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コメント 1

めいさん

はじめまして!
わたしも読みました。
懐かしくってリアルでしたよね、いろんな意味で。
by めいさん (2007-01-18 22:24) 

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