SSブログ

”漫談”「カノン」(パッヘルベル) [音楽・楽器]

何度か紹介している私の大学時代の友人であり、「ブログ仲間」であるピアノ弾きさんが、"Pachelbel Rant"という記事↓を書いています。
http://edagawa.cocolog-nifty.com/pianist/2006/12/pachelbel_rant.html

"rant"を辞書で引くと、以下のような意味が出ています。

[動](自)大言壮語する, 大声を張り上げる, わめく
;激しくしかる
;大声で説教をする
 rant and rave どなりちらす.
━━(他)…を大声で言う((out)).
━━[名] 1 [U]大言壮語...

ですので、"Pachelbel Rant"は「パッヘルベル(についての)大層なぼやき」「パッヘルベルについて大声で主張」という感じでしょうか。

ということで、"Pachelbel Rant"というYou Tubeのエントリーをご覧いただきたいと思います。
ピアノ弾きさんは、知り合いのアメリカ人(アメリカの某メジャー・オケに所属していたチェリスト)から教えてもらったそうです。
http://www.youtube.com/watch?v=JdxkVQy7QLM

ご覧の通り、アメリカの「ギター漫談師」というべき男性が出て来ます。

話している内容は、パッヘルベルの「カノン」をご存じの方はお分かりと思いますが、前半は大体以下のような感じです。
(ちなみに、パッヘルベルは、英語では「パッカーベル」のように聞こえます。)

<以下抄訳>
パッヘルベルのカノンのチェロパートは、チェリストにとっては最悪だ。
「D-A-B(H)-F#-G-D-G-A」を繰り返すんだ。54回も。
他にすることがないから数えたんだ。
その間に、バイオリンとビオラと2ndバイオリンが、美しい旋律を奏でるんだ。
(2ndバイオリンはそうでもないんだが…。)
こんな最悪のチェロパートを書いたのは、パッヘルベルがチェリストにデートを申し込んで断られたからだと思う。
<抄訳終了>

後半は、「カノン」(のコード進行)に乗せて、「エアロスミス」など現代のアーティスト的な歌詞を歌ったり、The Beatles "Let It Be"風に歌ったりして、終わります。

ところで、このパッヘルベルの「カノン」では、コントラバスも全く同じ楽譜を弾くわけで、この「嘆き」は共通です。
(珍しく、チェロ弾きとコントラバス弾きの意見が合うわけです。)
違う(共通でない)のは、チェロは「自分より下にコントラバスがある」と思うであろうのに対し、コントラバス弾きは「自分が弾かなければオケ(合奏)の土台がなくなる」という”責任感”ではないでしょうか。
いずれにしても、チェロ弾きにとっては、この「カノン」が”最悪”かもしれませんが、コントラバス弾きにとっては、「日常茶飯事」だと思います。

それと、コントラバスの場合、「パッヘルベルがコントラバス弾きにふられた」というストーリーには絶対にならないと思いますが…。

ちなみに、「伴奏ばっかり」という”嘆き”は、他の楽器にもあるわけで、You Tubeのコメント欄には、「スーザのホルンは後打ちばかりだ」などの書き込みもみられます。
(スーザは、「星条旗よ永遠なれ」や「ワシントン・ポスト」「雷神」などの行進曲で有名な、アメリカの作曲家です。)
が、チェロやホルンには、ソロも数多くあるので、コントラバスの”悩み”とは比較にならないと思います。(本当は全然悩んでませんが…。)

まあ、いずれにしても、「出番」がないよりはましだとは思いますが…。


nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 1

ピアノ弾き

Pachelbel Rant(「パッヘルベルぼやき倒し(?)」)について解説をしていただいて感謝します。チェロというのは独奏曲も色々あるし弦楽四重奏曲等でも重要な役割を演じるわけですから、たまに単純な音形を繰り返し奏することがあると、とてもつまらなく思えるのでしょう。一方でコントラバスの方はシンプルな音形でオーケストラの土台を築く、というのが本業であり主目的である、ということでしょうか。この曲の低音部分はカノンの主旋律であり、最重要パートなのですから、それについて不満を言うべきかどうか、という問題もあるでしょう。
by ピアノ弾き (2006-12-18 18:50) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。