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「アマ管弦楽団なぜ増える」(某新聞の記事について) [音楽・楽器]

日曜日、職場で某経済新聞を読んでいたところ、「アマ管弦楽団なぜ増える」という記事を発見しました。

アマチュアオーケストラ歴35年の身としては、見逃せません。

副見出しには「自治体の財政難が影響」「プロ奮起、すそ野広がる」とあります。

IMG_4541日経新聞.jpg

中身を読んでみると、記事の趣旨は以下のようなものだと思われます。

*****************************************************
「自治体の財政難でプロオケがコンサートの回数を増やす」
 →「それを聞いて感動し、楽器を始める人が増えている」
  →「教室に通ってうまくなるとオケに入りたくなる」

*****************************************************

記事の中でまず紹介されているのは、全音楽譜のアマチュアオーケストラ紹介サイト
http://www.zen-on.co.jp/info/CSfBandSearch.jsp?tp=02

この新聞記事によると、全音楽譜のサイトに紹介されてるアマオケの数は、驚いたことに以下のようになっています。
関東=76、近畿=22、中部=11、中国・四国・九州=5、北海道・東北=3

アマオケ業界では、FRUEDE(フロイデ)というサイト超有名なわけですが、ここで調べると、東京都内だけで約300団体が紹介されています。

全音楽譜のサイトに基づいて記事を書いている時点で、データが不適切なような気がします。

記事には、その全音楽譜の担当者の話として、「人気漫画『のだめカンタービレ」の影響で楽器を手に取る人が増えました。伝統のあるアマチュア楽団は敷居が高いため、初心者受け入れに積極的な親切の楽団を探して入団するようです」との話も載っています。
これはまあ、間違いとは言えないでしょう。

また、「クラシックブームで初めて楽器を手にしたり、再開する人が増えました。こうした人達を大正とする楽団が増えています」との”記者の報告”もあります。
また、某楽器店の音楽教室の生徒が増えている話も出ています。

そして、2006年発足という某アマオケの人の話として、「教室に通ってうまくなってくると、人前で演奏したくなり、アマチュア楽団の門をたたくのです。うちのバイオリン奏者もこうしたケースの人がいます」との言葉も出ています。


一方、「自治体の財政難」の話では、先日書きました↓大阪センチュリー交響楽団の状況も紹介されています。
http://lionbass.blog.so-net.ne.jp/2008-04-16
http://lionbass.blog.so-net.ne.jp/2008-04-11

他に、大阪フィルハーモニー、東京都交響楽団、札幌交響楽団の状況にも触れていますが、要点は「自治体からのお金が減らされるので、公演回数を増やしている」ということ。
まあ、これも間違いではありません。


問題は、アマオケが増えているのは、ここ数年の出来事ではないと考えられること。
恐らく、10年、20年前から増加しているのではないでしょうか…?

2年前に書きましたが、アマオケが分裂したり、新しく出来たりという話は、ずっと昔から聞くような気がします。
http://lionbass.blog.so-net.ne.jp/2006-05-23

アマオケが増えているのには、中学・高校での吹奏楽等(のクラブ活動)の役割が大きいのではないかと思っています。

先日見た「ブラブラバンバン」は原作がマンガ(コミック)だそうですが、こうしたマンガ・映画が読まれる(見られる)ということは、吹奏楽のすそ野の広がりの一端を示していると思われます。

また、吹奏楽ではありませんが「スウィングガールズ」のように、中学生や高校生がジャズや弦楽合奏、オーケストラに入り楽器を手にする例も増えているはずです。

こうした人たちがアマオケの人口増に貢献しているのが、一番大きいのではないでしょうか。

上記の「大人になってから楽器を始める」人が増えたことも無関係ではないと思いますが…。


ということで、「プロオケの公演が増える」→「それを聞いて楽器を始める大人が増える」→「アマオケが増える」というのは、ちょっと論理が強引ではないかと思った次第です。


ちなみに、「なぜ迷惑な奏者が特定の楽器に多いのか?」という話を2年以上前に書きましたが、「大人になって楽器を始めた」という人が、オーケストラに入ると、「オケのマナー」を知らない場合が多く、結構迷惑なことがあります。

いわゆる「大人の音楽教室」では、オケで使われる楽器では、フルート、クラリネット、バイオリン、チェロなどの生徒が多いようです。
大人になってビオラやコントラバスを始めようという人は多くないし、教室もあまりないはず。
(ビオラであれば、まずバイオリンを習ってもいいわけですが…。)

バイオリンだと、大人になってから始めても、「オケで弾けるレベル」にはなかなか達しませんし、達していないことが自分で分かります。
しかし、例えばチェロの場合、「オケのレベルに達した」と(バイオリンよりは)”勘違い”しやすいので、アマオケには「初心者のおじさん・おばさん」が結構います。

そういう人は、だいたい後ろの方に座っている=コントラバスのすぐ前にいることが多いので、もろに迷惑を被っています。
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たり

私の周りの中・高とブラバンだった友達も
楽団にはいっていない人は皆無かもしれません。
ずっと続けてますよね~うらやましいです。

大人になってからはじめても楽団にはいれるなんて
思ってませんでした。。ずっとやってる人達と一緒になんて
めっそうもないと思ってたんですが。。
一人より他の人と一緒にできるのは楽しいですよね。
娘と簡単な連弾をするだけでも楽しいですもん。
by たり (2008-04-29 20:28) 

Lionbass

たりさま
長文お読みいただきありがとうございます。
最近、吹奏楽部は女の子が多いので、女性に限れば「中学・高校で楽器吹いてた」という人は、想像以上に多いのではないかと思います。
その後続けている人はもちろん、今は吹いてない人でも、「実は元ブラバン」という人は結構いるはず…。
少なくとも、男で「元高校球児」という例よりは多いと思います。
by Lionbass (2008-04-29 22:24) 

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