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「カラヤンはなぜ目を閉じるのか」 [読書]

▼読み終わった本
*「カラヤンはなぜ目を閉じるのか」
中広全延・著、新潮社

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カラヤンはなぜ目を閉じるのか―精神科医から診た“自己愛”

カラヤンはなぜ目を閉じるのか―精神科医から診た“自己愛”

  • 作者: 中広 全延
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/03
  • メディア: 単行本


【帯紹介】
******************************

あなたの隣りにもいる、
カラヤンが。

「自分が特別であり、独特だと信じている」
「過剰な賞賛を求める」「しばしば他人に嫉妬する」

2008年=カラヤン生誕100年にあえて問う、超異色・音楽+医学エッセイ!
******************************


非常に面白い本でした。

著者は精神医学専門の医学博士。

一言で言うと、カラヤンは「自己愛性人格」または「自己愛性人格障害」だったのでは、というお話です。

そして、アメリカの診断基準によると、「自己愛性人格障害」は、以下の項目のうち、5つまたはそれ以上にあてはまることで診断されるそうです。
(1)自己の重要性に関する誇大な感覚(例:業績や才能を誇張する、十分な業績がないにもかかわらず優れていると認められることを期待する)。
(2)限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている。
(3)自分が”特別”であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人達に(または施設で)しか理解されない、または関係があるべきだ、と信じている。
(4)過剰な賞賛を求める。
(5)特権意識、つまり、特別有利な取り計らい、または自分の機体に自動的に従うことを理由なく期待する。
(6)対人関係で相手を不当に利用する、つまり、自分自身の目的を達成するために他人を利用する。
(7)共感の欠如:他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしない。
(8)しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む。
(9)尊大で傲慢な行動、または態度。


「なぜ目を閉じるか」は本を読んでいただくとして、ほかにも興味深いエピソードが紹介されています。

ベルリンのフィルハーモニー(ホール)建設の際、「指揮者が中心にいる」ことを求めたこと。
「12人のチェリスト」と会食した際、彼らにちなんで名付けられ献呈されたワインが供されると不機嫌になり、下げさせたこと…などなど。

確かに「こんな人は結構たくさんいるのだろうな」と思いました。
例えば、共産中国を打ち立てたあの人とか…。
また、「職場のあの人もひょっとして…」とも思わされました。

▼読み終わった本
*「カラヤン帝国興亡史―史上最高の指揮者の栄光と挫折」
中川 右介・著、幻冬舎新書

カラヤン帝国興亡史―史上最高の指揮者の栄光と挫折

カラヤン帝国興亡史―史上最高の指揮者の栄光と挫折

  • 作者: 中川 右介
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2008/03
  • メディア: 新書



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コメント 2

いちご☆

な~~るほど! かなり 納得
自己愛って いろんなものに かわりますよね
by いちご☆ (2008-04-20 12:06) 

Lionbass

いちご☆さま
「自分大好き」という人は、世の中に多いような気がします。

でも、もし本当に才能のある人なら、関わり合いになって、直接の「被害」を受けない限り許せるような気もしますし…。
なかなか難しい問題です。
by Lionbass (2008-04-25 12:46) 

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