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「朝鮮民族を読み解く」 [読書]

▼読み終わった本
*「朝鮮民族を読み解く 北と南に共通するもの」
古田博司・著、ちくま学芸文庫

朝鮮民族を読み解く―北と南に共通するもの

朝鮮民族を読み解く―北と南に共通するもの

  • 作者: 古田 博司
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/03
  • メディア: 文庫



【裏表紙紹介文】
*****************************************
北朝鮮・韓国ともに近代化に向けてじつは共通の苦闘を演じてきた。
宗族を中心にした自分たち「ウリ」とそこから排除された他人たち「ナム」との間の深淵をどのように埋め、国民国家としての一体感を形成するのか?
かたくなな「儒」の世界と大らかな「野」の世界に接点はあるのか?
「恨(ハン)」はいかにして解けるのか?
朝鮮文化の根底にある思想行動様式を、日常生活にさまざまに現れた具体的エピソードを通して、初心の者のみが抱きうる素朴な疑問・関心をテコに、鮮やかに読み解いた、平明で奥深い朝鮮文化入門書。
*****************************************


とても興味深い本でした。

一番面白かったエピソードは、第一章の「韓国人の人間関係」に紹介されている、結納儀式の実体験の話です。

婚約に際し、男(新郎)側の友人が使者として結納の品を女(新婦)の家まで運ぶのですが、その途中、使者たちは道端で「疲れた」「のどが乾いた」と言っては座り込み、前進を拒否。
これに新婦側の者が出てきて、金品を供したり、なだめすかしたりして、何とか前進させようとするのだそうです。
著者によると、これは、昔両班(ヤンバン)と呼ばれた貴族たちの婚約にあたって、下人たちがおすそ分けにあずかるための行動が、パターン化して残されているものなのだとか。

これを読んで、私は「北朝鮮の外交のやり方にそっくりだ」と思いました。
北朝鮮は、核問題などに関して、アメリカに「分かった、決まった通りにする」と言いながら、なんだかんだと言っては実行を先延ばしし、見返りを要求するというパターンを繰り返しています。
まさに、上記の結納儀式と同じではないでしょうか?

他にも面白いエピソードがいろいろ紹介されていて、韓国を少しだけ知っている者としては、なかなか奥が深いなあ、と思った次第です。

▽購入した本
*「中・高校生のための 朝鮮・韓国の歴史」
岡百合子・著、平凡社

中・高校生のための朝鮮・韓国の歴史

中・高校生のための朝鮮・韓国の歴史

  • 作者: 岡 百合子
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2002/08
  • メディア: 単行本



▽購入した本
*「攘夷の韓国 開国の日本」
呉善花・著、文藝春秋

攘夷の韓国 開国の日本

攘夷の韓国 開国の日本

  • 作者: 呉 善花
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1996/09
  • メディア: -



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コメント 4

はるしず

確かに頷けます^^
by はるしず (2008-06-01 01:14) 

ぬれぴよこ

本当に興味深いお話です。
それにしても、結納の使者が前進を拒否するとは、日本では考えられないことですね~
有名な名○屋の結婚では、結納の品を運ぶ時、絶対に(車を)バックさせないとか・・・
きっと、日本の結納の使者は、スムーズに運ばないと、おすそ分けを減らされるに違いありません(笑)
by ぬれぴよこ (2008-06-02 20:35) 

Lionbass

はるしずさま
書き込みありがとうございます。
この本によると、韓国の労使交渉なんかも、これと同じだそうです。
by Lionbass (2008-06-03 13:27) 

Lionbass

ぬれぴよこさま
この本の著者は、韓国に留学経験があって、友人もたくさんいるそうですし、奥さんは在日韓国人だそうです。
かなり深く知らないと書けないような話ばかりでした。
by Lionbass (2008-06-03 13:29) 

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