「オーケストラの経営学」 [読書]
▼読み終わった本
*「オーケストラの経営学」
大木裕子・著、東洋経済新報社
【帯紹介】
******************************
元・楽員の経営学者が描く
「至高の芸術」の舞台裏
「ステージ上の華やかなオーケストラには、
人に夢を見せ、感動させる力がある。
本書では、芸大出身の元・楽員という経歴をもつ異色の経営学者が、
オーケストラの力の根元を分析することで、
組織の『統制』と『創造』を引き出す術を明らかにしている」
大賀典雄(ソニー相談役・東京フィルハーモニー交響楽団理事長)
******************************
著者は、東京芸大を出てシティ・フィルでビオラを弾いていたそうですが、その後経営学を勉強し、現在は大学で教えているそうです。
本文目次は以下のような感じ。
第一楽章 「のだめ効果」はあったのか 業界の特徴と規模
第二楽章 「音大生」の投資対効果 オーケストラの人々
第三楽章 なぜ赤字なのに存続するのか オーケストラの会計学
第四楽章 オーケストラの経営戦略 外部マネジメント
第五楽章 指揮者のリーダーシップ 小澤征爾かカラヤンか
第六楽章 世界的音楽家はいるのに日本に世界的オケがないわけ
目次から分かるように、「第一楽章」「第二楽章」では、「オーケストラ業界」や「音楽大学」について、一般には知られていないと思われる話が詳しく書かれています。
ただ、特に面白く読んだのは「第三楽章」以下の部分でした。
いくつかの部分を紹介します。
例えば第三楽章の中の「オーケストラの経営母体」には、次のような文章があります。
「オーケストラを運営することはたいへんだ。これは日本にかぎったことではなく、クラシック音楽の本場ヨーロッパでもアメリカでも、たいへんなことに変わりはない。(中略)フランスでは経費の約八割を国や地方自治体が負担している。アメリカでは助成は民間企業が約四割を占め、行政は一割程度に過ぎない。日本では、すべてのオーケストラを平均すると、行政34%、民間7%という割合である。」
次に、第六楽章では、次のような記述があります。
「個人では世界的に活躍する日本人演奏家が増加しているのに比べて、オーケストラになると日本の知名度は低いと言わざるをえないだろう。」
「フランスのオーケストラの楽団員は、アーティストと呼ばれている。(中略)一方、日本に世界的なオーケストラが存在しない根本的な原因は、オーケストラの演奏者がアーティストではないことにあるのかもしれない。」
「このような問題を一言で表すなら、日本のオーケストラは『職人的だが、創造性は高くない』といえるだろう。」
この後、コミュニケーション論やマネージメント論が詳しく語られているのですが、ご興味のある方は読んでみてください。
音楽家やオーケストラのマネージメントにも問題があるのでしょうが、聴衆の問題もあるのではないかと思いました。
▽購入した本
*「知ってるようで知らない指揮者おもしろ雑学事典」
近藤憲一・著、ヤマハミュージックメディア
*「オーケストラの経営学」
大木裕子・著、東洋経済新報社
【帯紹介】
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元・楽員の経営学者が描く
「至高の芸術」の舞台裏
「ステージ上の華やかなオーケストラには、
人に夢を見せ、感動させる力がある。
本書では、芸大出身の元・楽員という経歴をもつ異色の経営学者が、
オーケストラの力の根元を分析することで、
組織の『統制』と『創造』を引き出す術を明らかにしている」
大賀典雄(ソニー相談役・東京フィルハーモニー交響楽団理事長)
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著者は、東京芸大を出てシティ・フィルでビオラを弾いていたそうですが、その後経営学を勉強し、現在は大学で教えているそうです。
本文目次は以下のような感じ。
第一楽章 「のだめ効果」はあったのか 業界の特徴と規模
第二楽章 「音大生」の投資対効果 オーケストラの人々
第三楽章 なぜ赤字なのに存続するのか オーケストラの会計学
第四楽章 オーケストラの経営戦略 外部マネジメント
第五楽章 指揮者のリーダーシップ 小澤征爾かカラヤンか
第六楽章 世界的音楽家はいるのに日本に世界的オケがないわけ
目次から分かるように、「第一楽章」「第二楽章」では、「オーケストラ業界」や「音楽大学」について、一般には知られていないと思われる話が詳しく書かれています。
ただ、特に面白く読んだのは「第三楽章」以下の部分でした。
いくつかの部分を紹介します。
例えば第三楽章の中の「オーケストラの経営母体」には、次のような文章があります。
「オーケストラを運営することはたいへんだ。これは日本にかぎったことではなく、クラシック音楽の本場ヨーロッパでもアメリカでも、たいへんなことに変わりはない。(中略)フランスでは経費の約八割を国や地方自治体が負担している。アメリカでは助成は民間企業が約四割を占め、行政は一割程度に過ぎない。日本では、すべてのオーケストラを平均すると、行政34%、民間7%という割合である。」
次に、第六楽章では、次のような記述があります。
「個人では世界的に活躍する日本人演奏家が増加しているのに比べて、オーケストラになると日本の知名度は低いと言わざるをえないだろう。」
「フランスのオーケストラの楽団員は、アーティストと呼ばれている。(中略)一方、日本に世界的なオーケストラが存在しない根本的な原因は、オーケストラの演奏者がアーティストではないことにあるのかもしれない。」
「このような問題を一言で表すなら、日本のオーケストラは『職人的だが、創造性は高くない』といえるだろう。」
この後、コミュニケーション論やマネージメント論が詳しく語られているのですが、ご興味のある方は読んでみてください。
音楽家やオーケストラのマネージメントにも問題があるのでしょうが、聴衆の問題もあるのではないかと思いました。
▽購入した本
*「知ってるようで知らない指揮者おもしろ雑学事典」
近藤憲一・著、ヤマハミュージックメディア
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