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"Paths of Glory" [読書]

▼読み終わった本
*"Paths of Glory"
Jeffrey Archer著、Pan Books

Paths of Glory

Paths of Glory

  • 作者: Jeffrey Archer
  • 出版社/メーカー: Pan Books
  • 発売日: 2009/09/18
  • メディア: ペーパーバック



"A Prisoner of Birth"以来のジェフリー・アーチャーの本。

今回の"Paths of Glory"は、イギリスの登山家、ジョージ・ハーバート・リー・マロリー(George Herbert Leigh Mallory)の生涯を描いた伝記的小説です。

題名は、「栄光の道」となりますが、この場合の「道」(path)とは「道路」(road)のようにあらかじめ整備された道というよりは、「人がたどる道」という意味合いで、時には「道なき道」という場合も含まれるでしょう。

マロリーは、1924年にエベレスト(チョモランマ)をパートナーとともに登山中に行方不明になり、果たして登頂に成功したのかどうかも含め、長年、「20世紀登山史上最大の謎」とされているのだそうです。
1999年に、その遺体が発見されましたが、登山に成功したのかどうかは、論争が続いているとのこと。

この小説は、冒頭、99年の遺体発見の場面から始まります。
そして、遺体のポケットに妻の写真がないことが分かるのですが、読み始めたときは、それが何を意味するのか分かりませんでした。
読み進んでみて、そしていろいろ調べてみた結果、この写真の有無が、大きな意味を持つらしいことがようやく分かりました。
詳しくは是非この小説をお読みになるか、ウェブなどで調べてみてください。
(ただし、邦訳はまだ出ていないみたいですが…。)


ところで、マロリーがよく知られているのは、「どうしてエベレストに登るのか?」("Why do you want to climb Mount Everest?")という質問に対し、「そこにそれがあるから」("Because it's there")と答えたとされるエピソード。

この小説の中でこの発言は、エベレスト登頂に1度失敗したあと、アメリカを講演旅行で訪れた際、ハーバード大学でこの質問を受け答えたものとして描かれています。
ただ、この有名な受け答えは、新聞記者の創作との説が有力らしいのですが…。

そういえば、このアメリカ旅行では、当時施行されていた禁酒法の様子も出てきます。

この小説の魅力は、やはりアーチャーならではの人物描写でしょう。
マロリー本人はもちろん、妻・ルース(Ruth)、登山家としてのライバルであったオーストラリア人、ジョージ・フィンチ(George Finch)などの登場人物が、ストーリーをより興味深いものにしていると思います。

ちなみに、エドモンド・ヒラリーとシェルパのテンジン・ノルゲイがエベレスト登頂に成功したのは1953年のことです。
もしマロリーが成功していれば、これより29年も早かったということになります。


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コメント 2

八犬伝

日本語訳が出るのを、楽しみに待つことにします!
by 八犬伝 (2010-02-21 23:10) 

Lionbass

八犬伝さま
コメントありがとうございます。
私も、全部は理解できないまま読み終わったので、日本語訳が出たら確認したい部分もあります。<苦笑>
by Lionbass (2010-02-25 23:44) 

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